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【夏休みの宿題】カフカ『変身』を読んで

 カフカという作家の名前は知っていた。
 しかし,彼の人となりについては,全く知らなかった。
 たまたま,テレビでカフカの『変身』について取り上げることがあったので,見たのがきっかけ。

 そのきっかけが,この本を読む動機付けになった。

 ある朝起きると,自分は虫になっていた……。
 そんな,荒唐無稽なことが,現実に起きるわけがない。しかし,この小説では起きるわけのないところから始まる、
 記述からして,カブトムシのような甲虫になったのだろうか。起き上がるのに非常に苦労している。
 人間として寝て,起きたときに虫になっていたのだから仰向けに寝ていたようだ。

 仰向けになった甲虫が起き上がるのは大変だ。カブトムシのように角が生えていれば,まだ,角を使い,てこの原理で起き上がれるが,どうも角はないようだ。すると,これは起きるのが非常に難しい。えんやこらと起き上がる際に足をケガしている。

 そして,家族や仕事場の上司に自分の体を見られてしまう。
 ま,普段通り起きてこなければ,家族は心配するだろうし,2時間以上も遅刻すれば,上司だって不思議に思い様子を見に来る。
 そのあまりにもグロテスクな格好に,上司は逃げ出す。家族は騒ぎ出す。

 でも。

 でも,ここで一つの疑問が生じる。グロテスクな虫を見て,誰もが皆,「虫=主人公(グレーゴル)」と思うのだ。
 人の大きさほどもある虫だから,グレーゴルと思ったのかもしれないけれど,「グレーゴルが虫に食われた」ということを思う人はいなかったのだろうか。

 大きな虫を見て気が動転するのは分かる。でも,落ち着いて考えてみれば,「虫=主人公(グレーゴル)」の可能性が低いことは想像がつく。
 しかし,誰もそんなことは思わない。グレーゴルは虫になったのだ。みんなそう思う。


 それまで,一人で家族(両親と妹)を養ってきた主人公,グレーゴル。
 しかし,その日から,両親と妹に養ってもらう。立場が逆転したのだ。家から,いや,自室から一歩も出られず,ただ,部屋の中を縦横無尽に這い回ることだけ。それだけで一日を過ごす。
 食の好みも変わってくる。新鮮な野菜から腐りかけたチーズを好むようになる。頭の中は人間かもしれないが,徐々に体は虫になっていく。

 ただ,ひとつ,ひとつだけ,人間的なものがあるとすれば,それは,窓から外の景色を見ることだろう。
 長いすをやっとの思いで窓際まで持ち出す。長いすに足をかけて,外を見る。外の風景を見ることだけが外界との接点。そして,唯一人間らしい行動。
 それを妹が見かける。妹が見かけて,やはり,虫は兄だと再確認する。だから,一度は部屋から家具をすべて取り出そうとしたことをあきらめたのだろう。

 物語の結末はあまりにもあっけない。

 人として,主人公グレーゴルが自室から外に出たことが,実は悲劇の始まりだったりする。
 貸していた部屋の住人からは逃げ出され,家賃も踏み倒される。それをきっかけに,家族からも冷たく見られる。
 もう,どこにも行くところはない。
 主人公の悲しみに同情するまもなく,最期を迎える。

 翌朝,淡々と過ごしていく家族。まるで,何事もなかったような家族。今まで頭の上にもたげていた重石が外れたかのように,非常に晴れやかに終わる。
 読み終えた私は,とても晴れやかな気持ちにはなれないが。

 外見が変わっただけで,人生がかくも変わるのか。無情を思いながら本を読み終えた。

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 久しぶりに「名作」と呼ばれるような本を読んだ。
 夏休みシーズンと言うこともあり,夏休みの読書感想文を意識して書いてみた。
 これを写したからって,とても誉められるようなものではないが。

【図書館分類】943.7

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