« 2010年1月の目標,その後…… | トップページ | 20100109 志の輔らくごinPARCO@PARCO劇場 »

【Jブンガク】『米欧回覧実記』久米邦武

09/04/15 Jブンガク より
『米欧回覧実記』久米邦武

 「平沙無垠(はてしなく),夐(はるかに)不見人,河水榮帯(えいたい),群山糾紛」

 依布サラサ曰く,「ミステリーツアー日記な本」

 サラサ「難しい本でした。」
 漢文の読み下し風の文章で,今の人々が読むのは難しいかもしれない。


 1878年に出版された『米欧回覧実記』。作者は久米邦武。
 明治新政府が派遣した岩倉使節団がアメリカからヨーロッパを歴訪した記録である。
 使節団は,岩倉具視を筆頭に政府の中心人ら総勢46名。久米もその中の一人。
 視察の成果は国民の利益と啓発に役立たせるという明確な目的を持った旅である。
 日本しか知らなかった彼らにとって初めて見る世界の光景に驚きの連続。筆舌に尽くしがたい様子を描写しようとする苦悩は文中からも伺える。アメリカでは,自主と独立を重んじる政治体制にカルチャーショックを受け,イギリスでは,工業の進歩にその国力の源を見出す。
 まさに世界の動向を見つめた使節団の旅のすべてをきめ細かく記録した報告書である。


     *     *     *

 現代はどこへ行くにも前情報があるが,当時は少なかった。
 ガイドブックなどのようなものがあったが,列車内で寝る間を惜しんで邦訳していた。
 使節団は,開通してまだ2年目のアメリカの東西を結ぶ鐵道で移動した。
 使節団は訪れた土地で,晩餐会などの歓迎を受けている。

一刀両断 「午後ニ,府ノ東鄙ノ温泉ニ至ル,市中ヨリ一英里《マイル》余ナル山角ニアリ,鹹泉《かんせん》ニテ温度ハ肌ニ適ス」

 上記の文は,列車から降りて,温泉に入りホッとした情景。
 決して,この旅は大名旅行ではなかった。
 使節団が米欧各国を旅する前から,本の出版が決まっていた。
 国の教養のレベルを上げながらそのまま言葉を凝縮している。

|

« 2010年1月の目標,その後…… | トップページ | 20100109 志の輔らくごinPARCO@PARCO劇場 »

翔太だって社会学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【Jブンガク】『米欧回覧実記』久米邦武:

« 2010年1月の目標,その後…… | トップページ | 20100109 志の輔らくごinPARCO@PARCO劇場 »