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【Jブンガク】『オーパ!』開高健<英語版>

09/04/24 Jブンガク より
『オーパ!』開高健

 「この河は,ダムや橋を拒んだように,言葉を拒みつづけることだろうと思う」


 こちらの本の題名『オーパ!』はポルトガル語で「すごい!」という意味。
 業者の開高健はノンフィクション作家で釣りの愛好家でもあります。アマゾンの珍しい魚やそこに住み人々の暮らしぶりを描くとともに私たちの内なる偏見や欲望をあぶりだします。


     *     *     *


 1978年に連載が開始された『オーパ』。作者は開高健。
 小説家にして,釣りの名手でもあった。物語は,アマゾン川に棲む巨大な魚,ピラリクーを釣り上げることに情熱を傾ける男の旅。
 タイトルの『オーパ!』は,ポルトガル語で「すごい!」の意味。獰猛なピラーニャや隊長2mを越えるピラリクーとの出会い。
 アマゾン川の水を飲み,川を中心に力強く生活する人々の営み。そして,ジャングルに突如として現れる大都市。まさに「オーパ!」の連続。海を渡り,新しい世界にふれる歓びと,生命の逞しさへの感動を躍動感にあふれる文体で綴ったルポルタージュである。


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 1970年代後半の日本は,経済の高度成長期。当時はほとんどの日本人は長期の旅行をする金も暇もありませんでした。そんな中で開高はアマゾンを辿る大旅行を実現します。読者は作品を通じて,ドラド,ピラニア,ピラルクーなど珍しい魚と出会います。たとえば,ピラルクーは1億年前から進化していません。魚だけでなく河の両岸に住む人々も紹介されています。漁師や農民,自転車修理工,電話業者など,その土地の人間や新たに移住してきた労働者など様々な人たちが暮らしています。


 「この河は,ダムや橋を拒んだように,言葉を拒みつづけることだろうと思う」


 周辺で農業を営む日系移民は「アマゾン」ではなく「大江」と呼びます。アマゾン流域の人々はそれぞれ違う言語を話し,河の呼び名も異なります。しかし,河は「大河」とだけ呼ばれ,名付けられることを拒みます。
 開高は驚きのあまり「オーパ!(すごい!)」と叫ぶのです。このエッセーは人間に支配されることを拒み続ける大河の驚きと感動を伝えています。

一刀両断 「甘い海。迷える海。大陸の地中海。」

 地元の日系人ガイドにすすめられて飲んだ河の水は甘く,開高はアマゾンを「甘い海」と表現します。私にはとてもできませんが,開高は毎日喜んで河の水を飲みました。それは大自然との触れ合いでした。
 1970年代の日本は大気や水質の汚染を意識し始めた時代。開高は公害への意識を抱えてブラジルへ向かいます。河に名前をつけ橋や工場を建てる事によって河を支配する人間に開高は怒りを感じました。
 そして自然の行く末を憂慮しながら日本に帰国したのです。

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