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【Jブンガク】『三四郎』夏目漱石<英語版>

09/04/08 Jブンガク より
『三四郎』夏目漱石

 「其翌日から三四郎は,四十時間の講義を殆ど,半分に減して仕舞った。」

 今回ご紹介するのは100年前に書かれた長編小説 夏目漱石の『三四郎』です。
 文庫版は昭和13年に発行され,以来90回以上発行されている名作です。お年寄りから若者まで誰もが1,2度は読んだことがあり,好きなシーンを持っています。
 大都市東京での若者の成長を描いた作品です。


     *     *     *


 『三四郎』の作者は,夏目漱石。『坊っちゃん』,『吾輩は猫である』といった数々の名作を生み出した作家である。
 これは熊本から上京し,東京帝国大学に入学した小川三四郎の物語。
 同郷の先輩である野々宮,高等学校に勤める広田先生によって,三四郎は学問の魅力を知る。
 同時に華やかな青春の世界にもひかれてゆく。
 美彌子という女性に恋心を抱くが,彼女に翻弄されるばかりでその思いは届かない。
 三四郎がつぶやく「ストレイ・シープ」は,この時代の迷える若者の心情を表している。
 明治の東京を舞台に,勉学,恋,都会の生活に戸惑いながら,徐々に成長していく三四郎である。


     *     *     *


 三四郎は20代前半で初めて上京し,周りの音や光に圧倒されてしまいます。薄暗い小さな空間を好み,物語の最初はよく図書館で過ごしています。
 毎日,本を借り出し,読もうとするが,外国語のそれらの本はあまり意味が分からない。ただ,どんなに複雑やマイナーな本であっても自分の先を越して読んでいる人がいる。
 余白の部分に鉛筆でメモが書かれていることに興味をかき立てられます。そこで三四郎はその残されたメモを見ながら外国の文化を垣間見た気分になっています。
 大学の外では友人や大学で知り合った綺麗なガールフレンドもいます。彼女のことが大好きだが彼女が自分のことをどう思っているか自信が持てない。自分のことを弄んでいるのではないかと不安になります。
 その不安がガールフレンドの美禰子にも伝染し,彼女は他の男性と婚約してしまいます。三四郎は風邪で寝込んでいるところでその事実を知ります。
 三四郎の元をさる際,美禰子は彼に「迷える羊(ストレイシープ)」と告げます。三四郎は理解できません。「迷える羊」とは?誰が羊だというのか?常に彼女が何を考えているのかに怯え,彼女の言葉の意図を考えます。


一刀両断
 "That's totally lame!"
「愚の至りだ。」


 優等生の三四郎に対し,友人の与次郎は「愚の至りだ」と表します。三四郎は数多くの授業をとり全て無欠席無遅刻の学生の鑑でした。
 当時,地方出身の学生は大学を出ることが人生の成功への道だと教わり,三四郎も最初のうちは優等生でしたが,徐々にその姿勢を崩していきます。このようなことは明治時代ではよくあったことで,学問へのあこがれや興味はあると同時に大人の社会が学生に課す制約を嫌悪する。
 この両面性は現代の私たちでも理解できますね。
 自分の努力を認めて,褒めてもらいたいが都会に住む若者としての自由な人生も欲しい。三四郎の世界と現代の我々に通じるところです。

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