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「joyの家族社会学」 第23回

 セックスレスとマザコンの社会学
 ***フェミニズムなんていらない***


BY JOY 喜多川豊宇
95年12月05日

朝日新聞記事データベース/G-Search

◆(1) 予想通りの高視聴率「ずっとあなたが好きだった」92.09.29夕刊
 空前の高視聴率
 TBS番組宣伝部の岡田由美子さんが広報を担当したドラマ「ずっとあなたが好きだった」の最終回(25日)の視聴率が,ビデオリサーチ調べで34.1%を記録。瞬間では40%を超え,夜10時台のドラマでは第1位。
 わき役の"冬彦さん"が注目された話題のドラマも初回は13%。

◆(2) ストレスたまるサルたち サルにも冬彦さん現象 93.05.01 朝刊 群馬版
 春に生まれた赤ちゃんザルは,秋には授乳を終える。ところが,一年過ぎてもまだ乳離れができないものがいる。母親にも原因があるらしい。群れの中で孤立し,いじめから逃げるうちに,子どもに愛情を注ぎ込む。その揚げ句,交尾の機会を失い,次の年に子供が産めない。ずるすると前の小ザルの授乳が続く。

◆(3) 増えるセックスレス夫婦 大半は夫側に原因 【大阪】 95.01.05 夕刊
 結婚しても,性生活がない「セックスレス夫婦」が増えている,という。二人が問題にしていないのならまだしも,どちらかが不満に思っていると,ことはやっかい。相談を受けている医師らは「治療は,早ければ早いほどいい」と口をそろえる。「この五,六年,セックスレスの相談が増え,性の相談の三割を占める」妻からの相談が多く,事情を聴けば,夫に原因がある場合が圧倒的に多い。


◎ケーススタディー01 キーワード:高学歴,ホワイトカラー
 三十代前半の主婦 結婚して二年。セックスが一度もない。夫はまじめで,勉強家。本ばかり読んでいる。いつも「仕事が忙しくて疲れた」という。セックスしない言い訳をしているように聞こえる。私が近づくと嫌がる。病院に一緒に行こうとしとても協力してくれない。最近,夫の服のポケットからテレホンクラブの会員証が出てきた。
 ◆恵木さんによると,高学歴でホワイトカラーの夫が多い。男性的なたくましさや迫力に欠け,相手に配慮したり,親密な人間関係が苦手。セックスレスへの問題意識がなく,治そうという気がない。「幼時から人との交流が不足し,親に抱きしめられるような愛情を受けていないので,妻への愛し方も下手なのではないか。アダルトビデオは楽しめても,主人公にはなれないんです。」と指摘する。

◎ケーススタディー02 妻に原因がある例
***妊娠・出産の恐怖がブレーキに***
 二十歳代前半の主婦。セックスが恐くて出来ない。子供が出来ることが不安だ。出産も恐い,子育ての自信がない。夫から言い寄られても,体がついていかず,生理的に受け付けない。
 ◆神戸市東灘区で産婦人科を開業している山崎高明さんによると,妻側の原因には性交恐怖や性交痛などがある。
 治療は,面接と行動療法を組み合わせる。夫婦で性的空想を膨らませたり,性的刺激や官能に集中する練習をしたりする。性交痛を和らげるための手術もあるそうだ。山崎産は「娯楽や刺激が多すぎて,セックスより楽しいことが幾らでもある社会」もセックスレスの一因とみる。
     ◇
 「どうして手間ひまかけてセックスする必要があるのか。ほかにもやりたいことがいっぱいあって,時間がもったいない」……できるけどしないカップルの発想は一見,合理的。「だが,他人への配慮に欠け,対人関係で深い病理が隠れているのではないか」と,順天堂浦安病院神経精神科・心症科の阿部輝夫さんは問題点を指摘している。

◎ケーススタディー03
***父親不在と濃密な母子関係***

 ばかなことできぬ,三十歳代半ばに多い
 四十年近く性の相談を受けている主婦会館クリニック奈良林祥所長の話
 セックスレスの夫は,三十代半ばが多い。高度経済成長で家庭のバランスが崩れ始めた頃に生まれた子です。
 乳は仕事人間。母は欲求不満を埋めるため,この教育に没頭した。息子に過干渉になり,息子は母に心を結び付けたまま成人する。仲間と遊んだりけんかした経験が少なく,人と仲良くすることが恐い。だから結婚して妻を抱きしめても,心が伴わない。愛の言葉をささやくとか,ばからしいことができないんですよ。セックスなんてばからしいことの極致でしょ。

◎ケーススタディー04
***自立願望の妻***

 ひとり妻の去った部屋 95.02.18 朝刊
 「結婚していたころより,今の方がはるかに充実しています」と名古屋市の会社員石本聰(34)はいう。離婚したのは6年前,結婚3年目だった。突然妻(32)から「私はあなたの家政婦じゃないのよ。やり直すなら若いうちにしたい」といわれた。

■息子の成長楽しみ
 妻は同期入社で営業成績はトップクラスだった。結婚退社後も准看護婦を目指して勉強していたが,妊娠して主婦業に専念した。石本さんも脱サラに備えて中小企業診断士の勉強に励んでいた。
 「妻は向上心が強く,家庭におさまるタイプではなかった。僕だけが好きな勉強をしていることに焦りがあった。僕がセックスレスを望んだことにも不満だった。一緒に住み始めていつでもできると思うと,僕にその気がなくなってしまったんです」8歳の息子は石本さんが引き取り,北海道の両親にあずけている。3か月に1度会いに行くのが何よりの楽しみだ。いま仕事以外に企画づくりの塾や,異業種交流の勉強会に打ちこんでいる。休日には一人でドライブ。「時間とお金が自由に使える。これが一人暮らしの快感です」
 上司から「家庭の経営に失敗するなんて一人前じゃない。おれなんか40年も我慢している。お前は辛抱がたらん。」といわれる。離婚後,恋人もできた。20代半ばの同僚だ。息子と会わせたが,「親せきの子のようにしか思えないわ」。結局,彼女の両親が反対し,彼女の方から離れていった。
 昨年,妻は再婚した。「妻や彼女に未練がないのは,本当は愛していなかったんじゃないかな。男の勝手かもしれないが,一生一人を愛し続けるのは難しい。将来,心から愛する人が現れたら結婚を考えるかもしれないけれど……」

◎ケーススタディー05
***気楽な独り暮らし・ねこと同居***

■再婚する気はなし
 大阪市で自然食品店を営む岸啓太さん(46)は,会員二人だけの「バツイチクラブ」の会長だ。「男は自由が一番」がモットー。「洗濯機も電子レンジもある。下手な料理を食べさせられるより自分で作った方がええわ。『バツイチのすすめ』という本でも書こかとおもてるくらい」
 健康のため外で酒を飲んでも必ず家で食事をする。肉ジャガ,煮しめ,焼き魚や,ゴボウ,セロリ,ピーマン,ナス,大根の野菜カレーなど自己流メニューを作る。二匹のネコと一緒に暮らす。「生き物がいたら家に帰るでしょ。だらしない生活をしないための歯止めやね。再婚するよりこいつらに洗濯や料理を教えたいくらい可愛い」
 離婚したのは35歳の時,岸さんは東京でCF製作会社に勤務し,妻(45)は子供二人を連れて,実家のある大阪で調理師をしていた。妻は「このまま実家で面倒をみてもらい,仕事を続けたい」と東京に戻らず,そのまま離婚状態に。憎しみ合ったわけでもなく,別れはあっさりしたものだった。
 妻とは年に1,2度電話で話す。岸さんが「再婚したらええやん」というと「この年で?ばかばかしい」。娘(20)と息子(18)には時々会いに行く。娘の成人式には100万円の振り袖を見立てた。
 再婚する気はない。18歳年下の会社員と突き合ったが,別れた。5,6人の女友達はいるが,特定の相手をつくるのはおっくうだ。「取引先から『その年で一人なんてのは信用問題やで』といわれるが,夫や父の役割の縛られるのは,もう嫌なんや」

◎ケーススタディー05
***妻の不倫が原因で***

■未練捨てきれない
 都内でバーを経営する宮田浩さん(44)は,別れた妻(39)への未練を捨てきれない。「再婚しないのは,妻が戻ってくるかもしれない,と0.1%でも思っているから。店には妻のにおいが残っている。よほどの人でないと,ここで働いてほしくない。」
 離婚したのは12年前。妻の不倫が原因だ。バリ島へ行った時,現地で知り合った日本人男性と親しくなった。妻は「あなたに愛情を感じられなくなった」と家を飛び出し彼と一緒になった。
 妻から年に1,2回,「元気?」と電話がかかってくる。昨年,突然酔って店に来た。「白髪増えたね。でも何も変わらないわ」宮田さんは思った。「僕が彼女を幸せに出来なかったのは悲しいけど,子供も出来たと聞いてほっとした。彼女が不幸になっていたらたまらない」
 付き合う人は結婚を考えなくてもすむ20歳前後の女性ばかり。いまの相手は20歳の女子大生。「きょう暇?」と彼女から電話が入るとスクーターで迎えに行き,映画を見たり,食事をしたりする。月に3,40万円がデート大で消えるが「彼女は僕とセックスしてくれない」。「お前,太ったたな」とからかうと,「何よ,じじい」とムキになる。「自分でも情けないけど,肩の凝らない言葉のキャッチボールが気楽でいいんです」


◆(3) 向き合わなければダメ『バツイチの女たち』の著書<35歳> 【大阪】 95.08.01 夕刊
***加害者意識弱い女性***

 男と女の意識のズレ。「女の病」です。それは私にも十分思い当たる症状だった。自戒を込めていえば,女には被害者意識が強すぎて,加害者意識の方はひどく欠落している。とくにセックスの場面では無神経で鈍感なことが多いと認めざるを得ない。
 女が夫から求められたら激しく傷つきますよ。でも夫を拒むことはそれほどの罪悪感を感じない。世間も「さわらな族」の男は批判しても「さわらせな族」の女には寛大だったりする。マザコンと言われる男の病に対してもそう。女は結構堂々と異を唱えるし,マスコミも援護射撃する。

 人によりまた夫婦の間でも大きく違うのは,セックスに対する感覚です。離婚の要素として性の問題は決して小さくない。取材で離婚理由を聞いたとき真っ先に性の不一致をあげる人は少ないんですが,話が進むうち「そういえば性的にもうまくいってなかった」となり,さらに「もし性的に満足にできる関係だったら離婚せずにすんでいたかも」となるバツイチが意外に多かった。

***

 次回は,後期試験。

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