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「joyの家族社会学」 第21回

 12月社会学教材 by joy 喜多川豊宇
 「トレンディードラマの社会学 高校教師を社会学する!」

 「高校教師」?
 93年初めにTBSで放送された人気ドラマ「高校教師」が映画化。高校の教師と女子生徒との恋愛がテーマ。レイプ,同性愛,近親相姦などの過激なシーンも話題になり,最終回は33.0%という高い視聴率をとった。森田童子の歌う主題歌もヒット。後に映画化され興行成績11億円達成。

 新しいドラマの視点登場 ワハハの世界からポスト・モダンの世界の疑似体験へ
●「視聴者はドラマに,バラエティー番組より一歩突っ込んで感情移入をしたいと考えているのではないか」,あるいは「テレビドラマを見ることで疑似体験をしたいと考えているのではないか」といい,その面でもテレビゲームに似ていると説明。

 映画の世界をリード テレビ主導の始まり:テレビでウォーミング・アップ
●ヒットメーカーがテレビから引っ越し
 「東京ラブストーリー」,「101回目のプロポーズ」,「高校教師」などのドラマにかかわった人たちで,出演者を含め,テレビのヒットメーカーが,そのままスクリーンに引っ越し。

 分析のための重要キーワード
(1)疑似体験 情報疑似コミュニティーの中に生きる自己(感応=participation)
(2)感情移入 感応=一本化
(3)参考概念
 [1] communion(コミュニオン) 聖餐,カトリックの宗教儀式
 [2] initiation(イニシエーション) = induct to membership in a club クラブの会員としての帰順

 トレンディードラマの取り組み過程の社会学考察
[1]テレビドラマの与えたイメージを消費=商品としてのイメージ(テレビ視聴)
 日常効果が強烈(毎週の波状効果)
[2]同イメージを拡大再生産:自己内再生産(取り組み)
 個室テレビ・ビデオ時代(1台のテレビを囲む家族の団らんの終焉)
[3]情報疑似コミュニティーの中に生きる新しい自己へ
 架空の登場人物が情報ムラ社会の隣人に
[4]今の自己の集合化(アイデンティティーの確立)
 自分の仲間を周囲に見いだす
[5]現実世界の再構成:realityの再解釈
 周りが新しい景色に見えてくる
[6]新しい自己の再生産:自己*自己を取り込む日常生活世界の新しい関係
 周囲の日常世界に何か違った自己を示す

◆01
ドラマ「高校教師」知ってる?先生にアンケート 【大阪】 94.01.18 朝刊
▽「知っている」55%,「知らない」45%。人気テレビドラマで映画化もされた「高校教師」について,四条畷学園高等学校(大阪府大東市)新聞部が先生40人にアンケートしたら,こんな数字。最終回の視聴率は37%を超えた。
▽同校と同じ,女子高を舞台にした「禁断の愛」の物語。「見たことがある」先生の半数が「毎週見ていた」と答えるほどのハマリ具合だ。

◆02
「いま!プロデューサー」「5大プロデューサーが集結!」。 95.09.19 夕刊
最近のテレビドラマ界は,TBSの貴島誠一郎,日本テレビの小杉善信ら,プロデューサーが脚光を。こういう時代を作り,90年代のドラマをリードしてきたのが大多亮プロデューサーである。「101回目のプロポーズ」など大ヒットを連発し,先ごろの社内異動で,制作の第一線から退いた。
「プロデューサーの時代」へのレールを敷いたのは,大多と,彼の先輩である山田良明(現編成局次長)だ。80年代半ばまで,ドラマと言えばTBSだった。フジは低迷を続けていたが,彼らはある発想の転換をした。「これまでは『作品』を作ろうとして失敗。そこで,ウチは『商品』を作ることにした。若い女性にターゲットを絞り,徹底したマーケティングを行った」(山田)
[1]マーケティング重視のドラマ作りは勢い,プロデューサーを前面。
 規格・立案はもちろん,キャスティングから脚本,演出に至るまで。脚本家には,意のままに使える若手が(ママ)起用。
 89年に始めたシナリオの一般公募「ヤングシナリオ大賞」だ。「東京ラブストーリー」の坂元裕二,「101回目のプロポーズ」の野島伸司ら,大多がチーフプロデューサーを務めた13本のうち9本が同賞出身者の手になる。
[2]「原点に返る」原点とは「東京ラブストーリー」だという。「カセのないドラマ」,「普通の男女の普通の恋愛物語」という言葉を何度も耳にした。カセとは,不治の病や近親同士など,恋愛の障害となる状況。
[3]「原点に返る」とは,原点でないものがあったことを意味。非日常のアピール。カセの難しさ:友人の自殺,記憶喪失などが次々に起こる。「高校教師」や「家なき子」などの得意さが売り物のドラマ。

◆03
懐メロばやりのTVドラマ主題歌 93.04.22 夕刊
懐かしいメロディーがテレビドラマに。トワ・エ・モアの「或る日突然」やチューリップの「サボテンの花」が。
 3月に終わったTBSの「高校教師」は過激な内容だけではなく,主題歌「ぼくたちの失敗」でも話題。この森田童子の作品が87万枚の大ヒット(19日限材,オリコン調べ)。1976年という昔の曲でも質が高ければ十分に通用することを改めて実証。

◆04
カセを強調した映画
「高校教師」映画に TVドラマと違う展開 93.07.23 夕刊
 テレビ以上に衝撃的な内容だという。高校の教師が一人の少女にひかれ,それがもとで人生が狂っていくのもテレビと同じ。だが,教師や少女のキャラクターや抱えている傷は違う。人間の弱さや優しさをテレビよりもっと鮮明に,大きなスケールで描く。映画の舞台は鎌倉の女子高。

◆05
同性愛映画,人気の理由を探る 京都 93.11.25 朝刊 京都版
同性愛を熱かった映画やテレビドラマが増え,若い女性に人気
[1]ゲイの学生を描いた映画は,東京の映画館で史上最高の動員数を記録。近く京都でも公開。
[2]ヤクザ路線で知られる東映の映画にも有名男優同士のキスシーンが登場。レズやゲイの人が自ら製作した約30本の作品を集めた映画祭も今秋初めて京都と大阪で催され,好評。
[3]カナダ,米,仏で活躍する社会学者や作家,弁護士らがレズビアンとしての目覚めや社会との葛藤(かっとう),フェミニズムなどについて語る「アイ・アム・レズビアン!」など,どれも同性愛が肯定的に描かれているのが特徴。
 大阪市の女子学生(22)は「別に抵抗感はない。フェミニズム運動へのかかわり方などレズの人の中にも,いろいろな考え方の人があることがよくわかり面白かったと。
[4]「既製の映画にはない新しい表現の仕方が受けたのだと思う。ただ,一般的にはまだ流行やファッションとしてとらえ,のぞき見したという人が多く,既製映画の作り手側もそうしたニーズに合わせている」。映画祭事務局の釡(たかし)利子。

■漫画にも影響
[1]93年12月4日から「二十歳の微熱」を上映する京都朝日シネマ神谷雅子支配人は「同性愛を描いた少女漫画の影響が大きい。」と指摘。
[2]「竹宮恵子や萩尾茂都など人気漫画家の作品には10年前から,同性愛の男の子とたちが美しく描かれてきた。それらを読んで育った世代や現在の愛読者が,映画の中に動く美少年像を求めて見に来るのではないか」
[3]少年愛専門のコミック誌がよく売れ,若い少女漫画マニアの間では,「プラトーン」や「サザエさん」を同性愛ものに描いた同人誌を作り,フリーマーケットで交換するのが流行っているという。

○京大総合人間学部加藤幹郎助教授(映画学)の分析
[1]米国では黒人映画ブームやエイズの流行と重なって,差別されてきた同性愛者が表舞台に出てきた。
[2]興味半分の存在から,知的な世界として描かれ始めてきた。
[3]日本では「同性愛が売れそうだ」という売り手の経営戦略に組み込まれたり,個人作家の実験映画の枠にとどまっているようだ。
[4]ゲイの作家たちが商業映画として撮るようになればまた変わってくるだろう。

   *

<メモ>
[1]同性愛を描いた過去の映画はウィリアム・ハート主演の「蜘蛛(くも)女のキス」やダスティン・ホフマンの「真夜中のカウボーイ」などが有名。
[2]88年には「モーリス」,今年は「クライング・ゲーム」がヒットした。
[3]日本では91年にゲイを描いた初のドキュメンタリー「らせんの素描」が公開され,昨年は「おこげ」と「きらきらひかる」が話題を呼んだ。

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