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「joyの家族社会学」 第19回

 う~ん,すっかり遅れが出てしまったなぁ。
 来年の3月までには終わらせたかったが,あと10回前後しかないんだ。しかし,今お送りしているのは,10~11月頃のレジュメ。少しリキを入れてお届けしよう。

 社会学講義 by 喜多川豊宇 1995年10~11月教材

 ポスト・モダンの自我像

 多重人格と野本医師殺人事件考 -引き裂かれた自我論をめぐって-

 二重人格,多重人格,官僚制,偽装(dissimulation),by Erving Goffman:,同調過剰(overconformity)by R.K.Merton,他者指向(other directed)by David Lieseman,ホワイト・カラー(white collar)by C.W.Mills,イメージの消費,現実の再構成 by Aran Arantes,イドー,エゴ,スーパーエゴ by Sigmud Freud,Looking Glass Self鏡に映った自我・<Me>by G.H.Mead,麻薬社会,ヴァーチャル・リアルティ,エコロジカル・バリディティ,家族機能の外部化,情報疑似コミュニティ,屈折したリビドー,離婚,児童虐待

多重人格の用語例
◆01


 久間十義さん 第3回三島由紀夫賞に決まった(ひと) 90.05.18 朝日 3頁 3総 写図有 (全749字)
 受賞作『世紀末鯨鯢記(げいげいき)』はメルビルの「白鯨」と調査捕鯨を軸にした実験小説。狂気のため多重人格となった語り手が,自ら執筆中の冒険物語に入り込み,言語や物語についての認識を深めていく,複雑な構成だ。個性の強い選考委員5人をそろえた同賞で,初めてすんなり満票を集めた。現代文学の難問に意識して取り組んだ批評性がかわれた。とくに「言語と想像力に対する信頼感を回復させ,元気にしてくれる小説。」と選考委員江藤淳氏は表現する。「先行世代とターム(用語)を共有しているかどうか分からないので」と慎重にかまえる。緊張すると余計に理屈っぽくなるタイプのようだ。

◆02


 多重人格のすすめ 山崎浩一(時評90) 90.08.25 朝日夕刊 13頁 ワイド文化 写図無 (全0字)

◆03


オハイオ州1977年連続婦女暴行事件容疑者
24人のビリー・ミリガン(上・下) キイス著(書評) 92.11.08 朝日朝刊 12頁 読書 写図無 (全1,152字)
「24人のビリー・ミリガン」--ある多重人格者の記録人間の不思議さを考えさせられる。1人の人間の中には,正直と狡猾(こうかつ),愛情と憎悪,高尚と卑猥(ひわい)など相反する感情が同居しているし,さまざまな知的あるいは身体的能力がひそんでいる。それらを1つの人格として統合しているからこそ社会生活が営めるのである。
しかし,それらが独立し,別の人格として顕現すればどうなるか。まるでSFの世界の人物になるが,現実にそのような人がいた。
 イブホワイトとイブブラックが共存した二重人格者は有名だが,この本は24人格の持ち主という想像を絶するビリー・ミリガンなる青年の実話である。混乱して前を読み返すことがしばしばだった。話は3人の女性へのレイプ犯人の検挙から始まる。ミリガンを班員と特定するなぞ解きが推理小説のようにうまく運ばないのは,状況に応じて異なった人格が登場するからだ。

◆04

「多重人格」もしや私も? 本に映画に続々登場(スペクトル) 93.01.30 朝日夕刊 13頁
 「ジキルとハイド」の二重人格から「ビリー・ミリガン」の多重人格へ……ということになるのだろうか。映画「羊たちの沈黙」や「ツイン・ピークス」あたりから始まった昨年来のサイコ・スリラーブームは,また一歩,私たちを心の深部へと導こうとしている。精神の宇宙をさまよっているうちに,私たちの心は,いくつもの人格を持たなければならないところまで追いつめられてしまったのだろうか。
 話題の本,ダニエル・キイスの『24人のビリー・ミリガン』(早川書房)では,レイプ事件の犯人として逮捕されたビリーに男女二十四の人格がそれぞれ独立して現れる。イギリス英語を話し,感情に起伏のないアーサー。ときに暴力的態度を示し,スラブなまりの英語を話すレイゲン。口先のうまいアレン。内気で孤独なレズビアンのアダラナ。さらには,言葉を失った三歳の女の子など。*

◆05


「サクリファイス」(今週の乱読・味読) 93.05.30 朝日朝刊 大阪版
 アンドリュー・ヴァクス 佐々田雅子訳(早川書房・1,900円)
来た,来た,来た。帰って来ましたよ,われらがバーク。ニューヨークの闇(やみ)の奥に生きる無法の探偵が帰って来た。「おれはバランスと集中力を取り戻し,本来の自分に戻っていた。家族という甘い幻想はインディアナにおいてきた」ニューヨークには,血の絆(きずな)より深い絆で結ばれた仲間がいる。パークの連絡先であり,銀行であり,いつもうまいスープを飲ませてくれるママ,音もなく獲物に近付き,殺すモンゴルの戦士マックス,廃品置き場の地下に済む天才的な発明家モグラ,独特の犯罪哲学を説く教授,プロフ……。

◆06


迷路の果てに姿を現す悪意 パルコ劇場 「出口なし!」(演劇) 94.07.19 朝日夕刊 11頁
 二転三転,病院の特別診療室を舞台に展開する心理戦。三谷幸喜作・演出によるパルコ劇場公演「出口なし!」は,味のあるコメディーの作り手として定評のある才能が,サスペンス劇の分野でも抜きんでていることを証明する舞台となった。
 小劇場役者の野村東馬(唐沢寿明)は,精神科医福本イネ(宮本信子)に仕事を頼まれる。鑑定医の資格を得ようとしている,同僚の神宮音彦(増岡徹)のために多重人格の患者になりすまし,精神鑑定を受けて欲しいというのだ。しかし,現れた神宮も,イネの助手,三越柴祐子(森口瑤子)もどこか様子がおかしい。奇妙な依頼のなぞ解きが始まる。三谷は得意の笑いをちりばめ,冒頭から観客を巧みにドラマの中へと誘い込む。だがそこは,至るところに伏線が張り巡らされた迷宮の世界。だれが多重人格で何が真実なのか。その迷路の果てに,ドラマを大本で操っていた無自覚の悪意が不気味な姿を現す。四人の登場人物は立体的に描き分けられている。そのしっかりした造形に支えられて,俳優たちものびのびして見える。適材適所,いずれ劣らぬ好演だが,インテリ医師の役が似合う増岡のエキセントリックな演技が印象的。
 一見,なぞ解き中心に見えながら,この舞台にはそのほかにも多くのテーマが盛り込まれている。医学の倫理,好奇心の功罪,記憶の真偽……。そして「自分は本当に自分なのか」という根源的な問いが最後に投げかけられる。不確実性が増し,バーチャルリアリティー(仮想現実)がはやる現代の不安を,シャープに切り取った二時間十五分だ。


   *   *   *


 多重人格の登場と認知

多重人格:自我を守るメカニズム
     自我がたて割に分割する未熟な自己防衛
     抑圧が少ない現代日本社会で,広まる可能性

「サイコ」 主人公母親の代理人格
「ツイン・ピークス」 悪の化身が幸福な家庭人にとりつく

***多重人格症状:(1)X少年の事例
 登校拒否で心理療法へ。幼い頃父親と死別。学校で虐めに。
 セラピストの間に うつむいてぼろぼろ……。
          帽子を目深にかぶり,人の目を正視しない。
          突然,「キャッキャッキャッキャッ……」はしゃいだ声
 自称"ピンク"   女子の人格が顕現し,少年に乗り移り,少年を支配。
          "ピンク":少年の心の中に生きている別の人格
   "爆発"    「グルグルグルグル……」
          "爆発"と言う名の凶暴な人格
          セラピストをにらみつける。押し殺したような低く太い声。
 少年は,ある時,"本人"とは異なる人格を発見,次いで,複数の人格があらわれる。

***多重人格症状:(2)宮崎勤被告(連続幼女誘拐殺人事件)
 3人の鑑定人の一人から多重人格説提出予定
 「被告は,一人の人間に複数の人格が存在する。」

***多重人格の登場
 1920年代 演技説
 1980年 米国精神医学協会 症例マニュアル DSM-IV 多重人格項目付記
 「明らかに異なる複数の人格が一人の人物行動を支配すること。複数に人格の一つ一つが,自分の固有の名前,好み,感情,行動,歴史を持つ。」
 「人格によっては,別の人格を思い出せない。その存在自体知らない。物忘れとしては説明できないほど,本人の行動,情報について著しい記憶の喪失あり。」
 「特定の物音,食べ物,群衆などが別の人格が出てくるきっかけ。」
 「幼児期に肉体的,性的な虐待を受けていた例が多い。」
 →大人から受けた耐えがたい経験を自分が作り上げた別の人格に引き受けさせる……。
  こんなにひどい目にあっているのはじぶんではなく,他の人格なのだ。……」=自己防衛規制
 1980年代以降 多重人格の論文急増(米国心理学協会データベース) 64件報告
        米国の現状:患者数約1万人
        サークル誌,パンフ,支援団体多い。
 1978年 精神医学 若い日本女性の症例
 「望まない結婚生活をおくるA子さん。夫との同居開始から奇妙な現象。急激に顔つきや言葉遣いや筆跡がかわり,夫に乱暴。普段の自分をアイツと表現。自分の名前はBであるという。アイツはおまえと結婚したが,オイラはしていない。アイツは無視してお前を好きになった。……傍観者の様子。A子にはBの記憶皆無。話しても信じない。BがかくしたA子の持ち物を見つけられない。


【課題】
問1
(1)母親にみせる私
(2)父親にみせる私
(3)友人にみせる私
(4)恋人にみせる私
(5)先生にみせる私
(6)バイト先でみせる私
(7)お酒が入ったときにみせる私
(8)夢の中の私
(9)スポーツでみせる私
(10)一人ぼっちでいるときの私
 についてその違いを具体例を示して延べよ。

問2
 あなたは人が変わったみたいといわれたことがありますか?また,普段と違った意外な自分が存在することに気づいたことがありますか?具体例を挙げて述べなさい。

 課題の回答は,出席確認のために提出したか,もしくは,提出を求められなかったため,手元には残っていない。

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